小児外科

こどもの外科疾患を診療する分野です。

外科と言っても、手術をせずに治せる疾患も多くあります。

一般的なお子様の病気

日常よく目にするものとしては、こどもの皮膚・皮下のしこりやおへそのふくらみ、鼠径部(下腹部から足の付け根)のふくらみがあります。
男の子では、精巣が陰嚢内に触れないこともあります。
はき戻しはよくありますが、体重が増えていればたいていの場合問題ありません。毎回多量に吐き戻してしまう場合は受診してください。
便秘は、あかちゃんのときからのケアが非常に重要です。中には、処置が必要な便秘もあります。
最近は、頭の形の矯正ヘルメットをしているおこさんをみかけるようになりましたね。1,2か月のうちからいつも顔が同じ向きにならないよう工夫することをおすすめします。

特に、1,2か月頃の頻回多量のはき戻し、便の色が薄い、おへそが常にふくらんでいる、ふんばっているのにウンチがでない等は早めにご相談ください。

小児外科疾患の一例

皮膚・皮下のしこり

皮膚のしこりは、耳の周りや首によくみられます。多くはうまれつきのものです。
中には手術が必要なものもありますので、ご相談ください。
皮下のしこりは、リンパ節を触れていることが多いです。他には、石灰化上皮腫や嚢胞性病変のこともあります。

おへそ

ジュクジュクしていたり、おへそがふくらんでいる。
ジュクジュクは、1-数回の処置で治れば臍帯の一部が残っていただけです。数回処置しても、いつもジュクジュクしているようであれば、手術が必要なこともあります。おかあさんのお腹の中で育っている頃、おへそは腸や膀胱とつながっている時期があります。その一部が残ることでジュクジュクすることがあります。
おへそのふくらみは臍ヘルニアといって、腹膜という膜の袋と皮膚に包まれて腸が脱出している状態です。時々ふくらむ程度であれば、自然に治癒します。いつもふくらんでいるようでしたら、早めにご相談ください。放っておくと治らない場合も、早期に圧迫療法をすることで手術をせずに治る場合が多いです。
当院は、得意としています。

鼠径部(下腹部から足の付け根)のふくらみ

鼠経ヘルニアという、腸が脱出している状態の可能性があります。脱出しっぱなしといことはあまりないので、昨日はふくらんでいたのに、今日はふくらんでいないという場合もご相談ください。ふくらみっぱなしで、機嫌が悪い場合は急を要する可能性があります。

精巣が陰嚢内にない

あかちゃんは、精巣はまだ陰嚢内に固定されておらず、移動します。お風呂のときに陰嚢内にあれば、まず問題はないです。
診察時に泣いていると精巣が腹部方向に移動し、触れないことがあります。
健診や他院の小児科の先生に指摘された場合は、ご相談ください。
移動しやすい状態で、精巣に問題なければ、様子見で大丈夫です。
精巣が陰嚢まで降りてこない停留精巣の場合は、適切な時期での手術が必要です。

便秘

新生児期や2,3か月での便秘は肛門近くでの狭窄の可能性があります。外来での安全な処置で改善する疾患や、稀ですがHirschsprung病という手術が必要な疾患のこともあります。
小さいころからの便秘は、便がたくさんたまることにより腸が必要以上にふくらんだり、長くなり、慢性的な将来的にも便秘が続いてしまうことにつながります。乳児期、幼児期の排便コントロールが大事です。
便秘は、早めにご相談ください。

腹痛

日常的に腹痛が多い場合は、腸の動きが速いために痛みを感じています。薬で腸の動き過ぎを抑えられれば痛みが減ります。
学校を休みがちになってしまっている子も多いです。
急な腹痛は、ほとんどが腸炎ですが、乳児では腸重積のこともあります。学童期では腸間膜リンパ節炎や虫垂炎の可能性もあります。たいていの場合は超音波検査で判別できますので、疑う場合は検査をしましょう。
中には、膵胆管合流異常症や上腸間膜動脈症候群といった疾患のこともあります。

他にも、小児外科で治療する疾患はたくさんあります。
頻回、多量の嘔吐、便の色、おちんちんのこと、気になることがありましたら、ご相談ください。